皆様初めまして。
「ON」のブログ、第1回目は、中華圏における「コピー」文化について考えてみたことをシェアさせて頂きますね。
中国で大量に作られるコピー商品、いずれも形だけの、安くて粗悪なイメージがありませんか?
いえいえ、実はどうして、中にはこちらがびっくりするくらい精巧に作られているものもあるのです。しかもそのリアクションの速さ。
何か新しいものが出来ると、その次の週にはそのコピーが出来ているという状態。洋服・バッグ・アクセサリーのコピーは当たり前ですが、電化製品・ゲーム・家具・おもちゃやアイデア商品に至るまで、はっきり言って、「真似できないもの」はありません。それが良いとは言いませんが、時としてお見事!と言いたくなるくらいです。
それを単なる「倫理観・マナーの欠如」として片付けることは簡単です。でもそれをちょっと横において「何故」彼らがそこまでするかということを考えてみるのも面白いかもしれません。そこで見えてくるのは、全てはお金を稼ぐため、そしてビジネスに結びつけるため、ということなのです。凄まじい程のお金とビジネスへの執着は、日本人の感覚から言うと、そこまでして・・という域に達している場合もありますが、でも、それが中国をGNP2位の大国にまで押し上げた底力とも言えるのです。
良いことも、悪いことも、どんなことでもビジネスチャンスに変えてしまう中華パワー、是非取り入れたい要素です。
そしてそれは巷のコピー商品レベルだけでなく、ありとあらゆる職業において共通している事実です。
ある日香港で、日本のお菓子を仕入れて安価で売っているおばさんに、片言の英語で「日本では今どのお菓子が売れているの?美味しいの?」と尋ねられました。名前を書いてというので、紙にローマ字と漢字を駆使していくつかの商品名を書いて渡すと、何と翌週にはそのお菓子が並べてあり、しかも「日本人のおすすめ」とのお墨付きで売られていました。「結構売れたわよ、ありがとう」とフルーツゼリーをオマケしてくれながら彼女がにやっと笑ったのを見て、その逞しさに感じ入りました。
長い間イギリスの統治下にあり、今でも自分たちは「中国人」ではないと言い切る人が多い香港においても、そのお金とビジネスへの情熱においては同じです。チャンスがあれば何でもビジネスにする、リスクを恐れず何にでもチャレンジする、失敗をしてもそこでめげずにさらにトライする・・・
「小さい失敗をしてみるから、その後大きく前進出来るんだよ」とは、海外の大手デパートとの取引に成功している、香港人の友人のお父様の言葉です。
「がつがつしていてビジネスマナーに反している」と切り捨てるか、「学べるものは何でも学んで自分のものにする」ーこの逞しいビジネス精神から学び取るか、皆さんはどちらを選びますか?