お久しぶりです。皆様お元気でいらっしゃいますでしょうか。
今日は「転職」に関するご質問をご紹介したいと思います。

Q. 自分にできる精一杯の努力をしてきましたが、どうしても評価してもらえません。自分という人間がすべて否定された感じです。せっかく苦労して入った一部上場の企業なのに、ここを辞めたら自分は負け組になってしまうような気がして、転職を躊躇していますが、どうしたら良いのでしょう。

A. ご相談頂きましてありがとうございます。
家族やパートナーといるよりも、長い時間を過ごさなくてはいけない会社。そこで自分の価値を否定されるような思いをされるのは、本当にお辛いことですね。
あまりの辛さに、ここから離れたいと思うのは全くもって普通のこと、健全な欲求です。
精神的に追い詰められて、体調を崩されたりしていないと良いのですが……
ヤケ酒や喫煙が増えて、大切なご自分の身体にさらに鞭うつようなことだけは、どうかなさらないで下さい。
(私はヤケ酒はしなかったのですが、1円ハゲが出来て、胃が切れてしまいました。今思うと、何故そこまで自分を追い詰める必要があったのかと不思議に思います)

ご自分にできる精一杯の努力をされたこと、本当に素晴らしいと思います。
評価してくれない会社や上司のせいにする前に、ご自分にできることはないかと考えられたのですから。

そこで私からのお願いなのですが、最終確認として、ご一緒に以下のチェックポイントを見てみて下さい。

* 冷静に、上司・同僚・部下も含めて、自分の足りない部分を指摘してもらえるよう話をしましたか?
* 周囲にいる「できる人」の仕事ぶりを自分のものと比べて、改善したり学べるところを取り入れてみましたか?
* 受け身や型通りの仕事ではなく、上司や会社の利益になる仕事をしている、と胸を張って言えますか?
* 自分のひとりよがりではない、「相手の立場に立った仕事」ができていますか?
* 決まりや前例に縛られない、積極的なコミュニケーションや仕事を心がけていますか?

これらの質問に、すべてYESと思われたのならば大丈夫、あなたはもう今いらっしゃる場でのお仕事は終えられたのです。
これ以上ご自分を痛めつける必要は全くありません。
大切なご自分のために、次の行動を考えましょう。

おっしゃった通り、一部上場の企業へ入られるまでのご苦労は相当なものだったでしょう。
ですから未練が残るのも当然のこと。
なので最初は、人事部に相談されて異動を考えられてはいかがでしょうか。
ただし、そこで不本意な部署や左遷のような形になるのであれば、ご自分とお話しされる必要が出てきます。

「自分は仕事内容が今ひとつでも、一部上場企業の肩書きを持っていれば幸せに感じるし、仕事よりもプライベートが大切だ」
「自分にとっては、どんなに会社の名前が立派でも仕事内容に不満があれば、人生は寂しいものになる」

あなたはどちらのタイプでしょうか。
どちらも優劣はありません。
人は皆、重点をおくところが全く違うのですから。

もし、プライベートに重点をおき、仕事よりも会社の格の方が大切であるならば、社内での異動願いを出されることをおすすめします。
けれど、仕事内容にやりがいを求める……と言うのであれば、是非、積極的に社外に目を向けてみて下さい。

今よりも小規模な会社で働くことで、ネームバリューがなくとも、自分の力を存分に生かせて「やりがい」を手に入れられるかもしれません。
大企業にない魅力は、複雑な組織でない故に、評価基準がシンプルだったり、昇進が早かったりする点です。
また、出来上がっていない組織だからこそ、あなたの貢献がもたらす結果を肌で感じることもできるでしょう。

私の友人は、新卒で一流企業に就職したのですが上手くいかず、以前と比べてかなり小規模な会社に転職をしました。
最初の頃こそ落ち込み、一流企業の社章をつけて歩く人を見るたびに、胸が痛んだそうです。
けれど転職した会社でメキメキと頭角を現した彼は、昇進を重ね、その後、他の一流企業からお声がかかったのです。
そこで提示された役職は、以前いた会社での同期の出世頭よりも、更に上のものでした。

「名前を知られている会社にいなければ」という考えは、「他の人からどう思われるか」という考えがベースにあると思います。
でも、働くのはあなた、やりがいを感じるのもあなたです。
「他の人からどう思われるか」という要素は大した問題ではありません。
その「他の人」が一体あなたに何をしてくれるというのでしょう?
大切なのは自分が嬉しいか、嬉しくないか。
小さなストレスや大変なことがあっても、働いていてやりがいや満足を感じられるか。
それが全てです。

今回のご苦労は、これからのあなたの仕事人生で、必ず役に立ちます。
勇気を出して踏み出した一歩は、決断した自分に自信を与えてくれます。
大丈夫です、会社も、選択も一つではありません。
大切なのは、あきらめないこと。きっと評価がついてきます。
「精一杯の努力をした」あなたですから、次の場所でも前向きにお仕事をされて、ご活躍されると信じています。

心をこめて応援しています。